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指標管理とリスク・マネジメント
★組織マネジメントにおける指標管理★

営業における顧客開拓や物流施設での在庫管理、製造現場での生産性など、ビジネスの各現場では、様々な指標をもとに、目標管理やパフォーマンス検証が、日々当たり前のようになされています。


同じように、組織・人材マネジメントにおいても、様々な状態や課題が、数値指標をベースに語られることが多くなってきました。

たとえば、人材の流動化が進み、終身雇用が当たり前ではなくなってきた頃から、「離職率」という言葉が多く聞かれるようになりました。



特に最近では、若者の離職率が、3年で30%とか、50%とかいう数値になり、問題視されるようになって来ています。

また他にも、女性管理職比率がどのくらいだとか、給与の対市場水準比率がどうだとか、平均昇給率が、平均勤続年数が、と、本当に様々な数値指標で組織や人材の課題が語られています。


もともと、組織・人材マネジメント施策というのは明確な目標を設定しづらく、どのような結果が出れば「成功」なのかが判断しづらいものです。

そのような状況の中で、このような指標をある程度の目安として設定し、ゴールとしての目標設定や、効果の検証のための客観的な指標として活用することは、一つの方法として、有効だと思います。


そして、これらの指標を定期的にモニタリングしておくことで、社内や組織内に今、どのような変化が起こりつつあるのかを把握しておくことも、とても必要なことだと思います。


数字というのは、誰が見ても絶対的なもので、主観の入り込む余地のないものですから、そういう意味でも、数値指標による管理を好む経営者も多いようです。


ただし、一つ注意しなくてはならないことがあります。

数字というのは、それ自体は絶対的で客観的なものではあるのですが、特に組織・人材マネジメントにおいては、その背後にある意味は、とても多様で、とても多くの要素が複雑に絡み合って出てきた結果であるということです。



★数字が示す「組織や人材の現状」とは★

たとえば、「離職率」や「平均勤続年数」という指標があります。

先にも書きましたが、「離職率」が3年で30%とか50%という数値を示すようになると、たいていの会社では、その数値を下げるべく、様々な施策を検討し始めます。

離職率が高まれば、採用コストや育成コストが余計に必要になり、効率の良い組織運営を行うことが難しくなりますから、それは当然のことです。


現場のマネジメント力が低下しているのではないか、競合よりも給与水準が低いのではないか、そもそも採用が間違っているのではないか・・・。

「離職率」一つとってみても、その数値が悪化している原因というのは、本当に様々です。

ですから会社は、社員にヒアリングやアンケートを行ったり、コンサルタントに依頼をしたりしながら、問題の把握と対策に躍起になるのです。


では、それらの対策が功を奏し、離職率が10%台とか、それ以下になれば、問題はそれで収束するかというと、そうでもありません。


離職率が下がった=社員が辞めなくなったと喜んでいると、その背後では、また違った問題が生じつつある場合があります。

たとえば、「誰も辞めない会社」というのは、いい意味でも、また、悪い意味でも、社員にとって「居心地のいい会社」となっているということです。

つまり、社員が成長し、会社全体が成果を上げていくためには、ある程度のプレッシャーや負荷は必要なのですが、それすら存在せず、単に「居心地のいい会社・組織」になっている危険性もあるということです。


結局、「離職率」という指標の値は、高くても良くないし、低くても良くない場合があるということなのです。


これは、「離職率」という指標だけに限りません。

「給与の対市場水準比率」などにしても、高ければ高いほど、優秀な人材の採用やリテンションには効果的ですが、同時に、人材の流動化が難しくなるケースもあります。


また、「女性管理職比率」などにしても、今は各企業がその値を高めるために様々な手を打っていますが、高くなったらなったで、男性社員の活力が落ちていないか、他の部分で非効率が発生していないかなど、検証すべき部分が多数発生してきます。


★指標管理とリスク・マネジメント★

組織というのは、様々な感情を持った人の集まりですから、そこに存在する課題は、日々刻々と変化していると考えた方がよいでしょう。

ですから、数値指標の値だけ見ていては、それが、組織が良い方向に向いている結果なのか、その逆なのかは、なかなか分かりづらいというのが実情なのです。


ではどうすべきなのかと言えば、定量的な数値と定性的な組織の状態を継続的にモニタリングしておくことが、まずは必要ではないかと思います。

離職率を低くする取り組みを行う場合には、同時に、成果やクオリティに対する現場での健全なプレッシャーが維持されているか、という検証は必ず必要です。

女性管理職比率を高めようと思ったら、優秀な女性を登用する取り組みを行うと同時に、女性のマネジメントが甘くなっていないか、男性社員も公平にケアできているかを、定性的にモニターする必要があるのです。


そして、そのような定性的な検証を行うためには、一定の指標の改善を目指して取り組みを行った場合、その反作用として、その後にどのような弊害が発生する危険性があるのか、ということを、予め想定する、先を読む力が非常に重要です。

その“先を読む力”を駆使して、組織が良くない方向に行っていないかを、都度検証する・・・それが、組織・人材マネジメントにおいて指標管理を行う場合の、リスク・マネジメントと言えるのではないかと思います。


もっと言えば、そのような“先を読む力”を発揮するためには、その大前提として、自分たちが実現したい組織とはどのような状態なのか、ということを、定性面でも定量面でも、可能な限り幅広い視点から、具体的にイメージし、押さえるべきポイントを明確にしておくことが必要です。


結局、当たり前ではありますが、まずは自分たちがどのような組織を作りたいのか、という、組織のあるべき姿が明確にすることが、大前提として必要。

その上で、マイルストーンとなるべき数値指標を設定し、改善に向けて取り組みつつ、その先に潜んでいるリスクを回避すべく、定性面での検証を行っていくことが、組織・人材マネジメントにおける上手な数値指標の使い方なのではないかと思います。


                * * * * *


もし今、会社や組織で、改善すべき組織・人材マネジメント上の指標が設定されている方は、その意味するところ、目指すべき姿が何なのかを、もう一度見直してみはいかがでしょうか。


またその上で、その指標が改善された場合に発生しがちな問題も想定した上で、目指すべき組織の姿に向けて、継続的な検証・モニタリングを行っていっていただきたいと思います。


今週のささやき

近年、アンケート形式の調査によって、社内の組織・人材面の課題を定量的に把握しようという取り組みも、かなり進んできているようです。

実際に、最近お話しを伺った企業のほとんどで、何らかの調査(社員意識調査や組織診断、モチベーション・サーベイなど)を既に導入しているとのことでした。


これらの調査に関しても、結果として出る値は数値で、一見客観的なもののように見えますが、その背後にある要因・課題は、おそらく各企業によって個別のものがほとんどなのではないかと思います。


だから、数値結果をそのまま表面的に捉えるのでなく、それらの調査結果に関しても、多面的に、また、長期的な観点で、どのようなリスクが潜んでいるのかを考えてみる必要があるのかな、と思っています。


                            (今週の文責:藤島)

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【2007/05/25 11:10】 | ■魅力ある会社を目指して | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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