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ホワイトカラー・エグゼンプション
 労働環境の変化に伴い、新しい時代にふさわしい新しい働き方、新しい会社と個人の
 関係が重要なテーマとなってきました。
 
 特に、今年は2007年問題がいよいよ現実になり、労働人口の急激な減少が深刻になる
 など、このテーマについてはますます活発な議論が予測されます。

 その一環として、今年特に注目されているのが、「ホワイトカラー・エグゼンプショ
 ン」です。

 新聞やテレビで報道されたり、解説されることが多くなりましたが、あなたは、どのよう
 に考えられているでしょうか?

 人事制度を設計したり、顧客企業の人材マネジメントのあり方を検討するという私たち
 の仕事の中で、実は「時間外管理」のあり方は、常に大きな課題となってきました。

 そのため、私は、ホワイトカラー・エグゼンプションの導入には、基本的に賛成です。
 ただし、運用が適切でなければ、さまざまな問題が発生する恐れもあります。

 そこで、今回はこの問題について、考えてみたいと思います。
 やや、長くなってしまいましたが、良かったら読んでみてください。




★ホワイトカラー・エグゼンプションとは★

 すでにご存知のことかもしれませんが、最初に簡単に説明しておこうと思います。

 現在の労働基準法では、「働く者の健康や文化的な生活を守るために」、一般社員の
 労働時間の上限を「一日8時間、週40時間」と規制しています。

 ただし、労働基準法第36条において、労働組合と経営者側との間で合意すれば、この
 上限を超過して働くことが認められます。
 これが、俗に「さぶろく協定」と呼ばれているものです。
 
 そして、この基準を超過して会社側から要請された労働に対して、「時間外手当」と
 して一定の割り増し賃金を支払うことが規定されています。


 さて、「ホワイトカラー・エグゼンプション」とは、日本語では「自律的労働時間制度」
 と呼ばれるもので、ホワイトカラーの社員をこの時間外管理の対象からはずすという
 法制度のことです。
 もともとは、アメリカで生まれた制度でした。

 現在、今年の通常国会への法案提出を念頭に、厚生労働省の労働政策審議会の分科会で
 検討が続けられています。

 経営者側、労働者側の立場や視点から、基本的に以下のような論点で激しい議論が繰り
 広げられています。

 -積極派(経団連を代表する財界)の主張:
   いつ、どのように働くかという自由度が高まり、働いた時間ではなく仕事の成果に
   よって賃金を決められる
   従来の労働時間に縛られず自由で自律的な働き方をする人材を育てるために必要な
   制度である

 -反対派(労働組合側など)の主張:
   労働強化と実質的な賃下げにつながる
   自分で労働時間を管理しなければいけないため、働き過ぎで過労死をしても会社に
   責任を問うことはできなくなる
  

 一部のテレビ番組の解説などでは、反対派の主張が大げさに報じられることが目立って
 きました。
 誤解を招くことにはならないかと、最近、ちょっと気になっています。



★時間外管理の限界★ 
 人事制度の運用や人材マネジメントについて仕事をしていると、今の労働基準法が実態と
 ずれが生じていることを感じることがよくあります。

 時間外管理の問題は、その代表的なものでした。

 そもそも、時間外管理の考え方は、時間で会社への貢献を測れるような仕事を前提と
 しています。
 つまり、「誰がやっても同じだけの時間を使えば、同じだけの成果・結果を生む」よう
 な仕事、決まった業務を担う工場オペレータ-のような仕事に適する考え方です。

 また、右肩上がりの日本的経営が主流の時代は、環境変化が少ないため、あらかじめ
 予測された仕事をきちんとこなすことが重要で、ある程度時間の予測も可能でした。


 ところが、産業全体が進化し、環境の変化が激しくなるにしたがって、このような仕事
 の占める割合が減ってきました。
 決まった業務だけで対応することが難しくなり、状況を判断して、自分のなすべき仕事を
 組み立てることが求められる様になってきました。

 そこで、時間で会社への貢献を測ることができない職種が増えてきました。
 いわゆる企画職や専門職(クリエイター、マーケッター、ファンドマネジャー、コンサル
 タントなど)の仕事です。

 また、従来の事業系の職種についても、自律的に動ける人材が多くいる企業の方が、
 競争力を持つことが自明となってきました。
 前回、藤島が「セルフマネジメント型」の人材について触れていましたが、このような
 人が必要になってきたのです。

 こういった事情を背景に、80年代後半から、仕事を時間ではなくて、成果で測ろうと
 する「成果主義」が急速に発展してきました。
 今では、成果主義はある程度当たり前のことになっています。

 そこで、「時間外管理」の規制と仕事の現場の実態との間に大きな乖離ができている
 のが、現状です。 

 法制度の見直しに先がけ、規制のぎりぎりのところで、実態に即した運用をしている
 業も多く見受けられます。 
 また、実際に、企業の競争力を再生するための多くのプロジェクトの中で、大きな枷に
 なってきました。


 時間外勤務が発生する原因は、一律ではありません。
 おもに次のように整理することができます。
 あなたの周囲で生じている時間外は、どれにあたるでしょうか?

 1.労働力が絶対的に不足しているために生じる時間外   
  ・・・本来必要な人員数が確保できていないため、一人当たりが担う仕事量が
      増えている状況

 2.仕事ができる人に仕事が集中するために生じる時間外
   ・・・能力がある人に任される仕事が増えたり、周囲の相談や協力要請が集まる
      状況
      また、能力が高いために、自らが仕事を広げていくようなケースも増えて
      いる

 3.時間にかかわらず、成果を追求するという本人のスタイルから生
   じた時間外

   ・・・自分の役割や目標達成のために、時間にとらわれることなく、自分の仕事を
      自由にデザインしたという人に見られる状況
      成果主義が浸透し、このような自律型の人材が増えている

 4.仕事の効率が悪いために生じる時間外   
   ・・・人よりも仕事の処理に時間がかかっている状況
      中には、仕事上の必要性はないが、時間外手当を得るために、時間をかけて
      仕事をするようなモラルハザードも生じている

 
 原因の構造が異なるため、一律の打ち手では、これらのすべてを解決することは困難
 です。

 1に関しては、適正人員数の見直しをした上で、必要な時間外賃金は支給すべきです。

 2や3の人に対しては、時間で仕事を評価したり管理するのではなく、その貢献に
 応じた処遇を検討することが求められます。
 特に、企業側にとって、競争力となる人材ですので、生み出した価値のあり方や貢献に
 応じた最適な処遇を実現していくことが極めて重要になります。

 4に対しては、そのままの状況で所要時間に応じて手当てを支給するのではなく、意識
 改革や育成が大きなテーマになってくるでしょう。
 

 一律に労働時間を管理して、時間に応じて給与を支払うという規制がある限り、1から
 4までの全てを同じ打ち手で対応せざるをえないことになります。
 私には、穴を掘るにも、木を切るにも、釘を打つにも、同じ道具を使うことを強制され
 ているのと同じで、これではまともな家は建てることができないと思われるのです。


 
★多様性に対応するために、今できること★

 労働人口の減少が予測され、限られた労働力をフルに活用していくことが求められる
 時代となりました。

 そのためには、一人ひとりが自分の人生観や価値観に基づき、仕事にどのように関わって
 いくかを選択できる環境が必要です。

 そこで、時間外労働管理など、実態との乖離が生じている旧来の規制を緩和することは
 どうしても必要になってくると思います。


 一方、労働者側が、規制を緩和した結果、長時間労働が増加し、実質的な賃金カットと
 なるのではないかと懸念することは、十分に理解できます。

 これらの懸念は、「経営者側と労働者の対立関係」という旧来の構造を前提として
 います。
 多くのマスコミも、この視点から報じていることが多いように思われます。


 しかし、今、会社と個人の関係は変わりつつあります。
 多様な人々の多様な働きかたを可能として、その貢献を最大限に引き出していくことが、
 求められつつあるのです。

 導入した際の問題発生を懸念して、ホワイトカラー・エグゼンプションそのものを否定
 するのではなく、正しい運用環境をいかに整えていくかを議論すべきなのではないで
 しょうか。

 
 法制度がどのように決まるかは、見守るしかありませんが、時代の流れとして、遅かれ
 早かれ時間外管理のあり方には変化が生ずることが予測されます。

 この問題に対して、会社として今からできることは、多様性対応の一環として、運用
 環境を整備していくことだと思います。
 特に、次の二点はホワイトカラー・エグゼンプションだけでなく、多様な働き方の前提
 として、取り組むべきではないでしょうか。

 
 1.経営者側の志と原理原則の徹底
    顧客や社会に対して、どのような価値を生み出していくかを明らかにし、その価値を
    ともに生み出すパートナーとしての働き手との関係を構築していくというスタンスを
    明確に伝えていきたいものです。

    そうすれば、少なくとも労使間で対立して不毛な議論をすることもなくなり、競争力
    のある人材マネジメントの実現につながっていくのではないでしょうか。

    その際、会社への貢献に正しく報いていくという原理原則の徹底は不可欠で、それは
    今からでも実行可能です。

 2.多様な働き方の整理・切りわけ

    アメリカでホワイトカラー・エグゼンプションが機能している背景には、仕事の
    切り分けがあります。

    もともと、欧米は職務給の概念が浸透しているため、それぞれの仕事の定義が
    明らかになっています。

    そこで、時間外管理を行うべき仕事と、管理の対象からはずすことが可能な仕事を
    分類することが可能でした。

    今後、多様な働き方を可能とするためには、どの仕事は、どのように貢献や価値を
    測るか、誰が担うべきか、働く時間や場所はどの程度自由に設定できるのかなどを、
    明らかにしていくことが求められます。

    仕事によって、時間の管理を含めた就業条件の柔軟性が異なるためです。

    単に時間外管理の問題を解決するためだけでなく、多様な働き方をデザインする
    ためにも、今一度、自社の仕事の整理をしてみてはいかがでしょうか。



今週のささやき

 今の仕事を始めて、10年目となりました。
 この間、成果主義の導入から始まり、企業の進化・発展に向けての人材マネジメントの
 改革に関する多くのプロジェクトに関わってきました。

 そこで、ずっと問題となっていた時間外管理に関する法規制が、今年はようやく見直
 されそうな感じで、個人的には期待を持って見ています。


 昨年は新しい「会社とヒトの関係」についていろいろと考えてきました。

 今年は、社会全体でも「新しい働き方」の議論が活発になりそうです。

 この1年、自分自身も含めて、私も新しい働き方を模索していきたいと思っています。 
 
 今年も、引き続きよろしくお願いします。


                          (今週の文責:曽根岡)
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ホワイトカラー
ホワイトカラーホワイトカラー(White-Collar 白い襟)とは、主に事務に従事する人々を指す職種・労働層を指す言葉。対義語にはブルーカラーが挙げられ、関連語にはサラリーマンが挙げられる。概要これらの職種は主に(白を基調とした)ワイシャツを着用 chihiroの部屋【2007/03/30 08:06】
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