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擬似体験力を養う
★マニュアルの限界★
 
先日、久しぶりにマクドナルドに行きました。
バーガー類を6つ、テイクアウトで注文しました。
渡されたのは、かなり小さめの茶色い薄い紙袋一つ。
 
外は雨、荷物はたくさんだったので、薄い紙袋一つで、ちょっととまどいました。
 
それでも、袋に「簡易包装をはじめました」と書いてあったので、そのまま紙袋を受け取り、抱えるようにして帰りました。

バスの中では、バーガーのにおいが充満してしまい、周囲が気になりました。
さらに、家で袋をあけてみると、下の段のバーガーはほとんどつぶれていて、中からソースが染み出していました。
ちょっと食べる気にはなれない状況でした。

これは、「私だけに起きた事故」ではありません。
有人も同じようなことを言っていましたし、ネット上でもちょっとした話題になっているようです。



マクドナルドのマニュアルが充実していることは有名です。
「簡易包装」の実施要綱として、マニュアルには「袋に6つであっても詰める」ということになっているのかもしれません。
 
また、客から求められなければ、持ち手のついた袋には入れないことになっているのでしょう。

アルバイトの店員さんは、マニュアルに忠実に仕事をしたのに違いありません。


 
マニュアルを充実させ、徹底して従わせるのには、「誰がやっても同じレベルのサービスを提供する」という目的があります。

人によって、至らないサービスをしてしまい、会社のブランドを傷つけるようなリスクを廃するという考え方です。


 
ところが、このマクドナルドの例のように、思わぬリスクが発生することがあります。

マニュアルの内容そのものが適切でないのは問題外ですが、仮に正しい内容であったとしても、限界があるのです。

異常時の対応すべてをマニュアルに網羅することは不可能です。
仮に8割の状況で適切であったとしても、残り2割では問題が発生しかねません。

また、顧客の求めるものすべてに応えられるだけのサービスを規定することも不可能です。
顧客一人ひとりが、異なる嗜好、感覚、価値観を持っているからです。


大事なのは、マニュアルに書かれた原理原則は理解し、遵守すると同時に、状況を判断して柔軟かつ適切に対応することです。





★正しく判断するために・・・判断根拠は「経験値」★

多くの会社が、自社の社員の要件として、「自律型人材」(自分で考え、正しく判断して、やり遂げることができる人材)であることを求めています。
 
なぜならば、仕事の場面では想定外のことがたくさん起こるために、一人ひとりの社員が正しく判断し、行動できなくてはならないからです。

特に環境変化の激しい業界や仕事の場合、「自律型人材」であることの必要性は誰もが認識しています。

また、このような業界や仕事についている人だけでなく、マクドナルドのようなオペレーショナルな仕事についている人でも、正しく判断して行動することは重要です。



 
正しい判断をする際の、一つの手法がアナロジーを駆使することです。

アナロジーとは、ある特定の物事を考えるに際して、別の物事と同じ性質を持っているだろうと推論することです。

「仕事の場面でアナロジーを駆使する」ということは、言い換えれば、
「過去の経験や知識をもとに、目の前の課題や場面にどのように対処すべきかを判断する」
ということになります。

そこで、判断の根拠となる「経験」を、どれだけ積むことができるかが重要になります。



経験値を高めるためには、できるだけ多くのことにチャレンジして、積極的に経験を積んでいくことが基本です。

自分のできることや得意な分野に執着せずに、未知の部分に幅を広げたり、徹底して深く関わることによって、経験値をあげることは可能です。
 


でも、多くの経験を積むためには多くの時間がかかるし、そもそも経験できないこともたくさんあります。

鉄道会社やバス会社の乗務員が、ありとあらゆる事故を経験するわけにはいきません。

デパートの店員をしている人が、お客様とのトラブル全てを経験するわいけにもいきません。

また、高級ホテルの客室係りをしている人が、1泊数十万円するような部屋にゲストとして泊まることは、なかなか無いでしょう。

私の場合も、コンサルタントとして多くの企業の問題解決をお手伝いしていますが、クライアントの事業全てを実体験することは、まず不可能です。

 

この「経験できない部分」を補うのが、「疑似体験」です。

ここでは、疑似体験をするうえでの、有効な方法を二つ、ご紹介したいと思います。

 



★疑似体験力(1)・・・人の経験を自分の引き出しにしまう★


人に話を聞くことによって、自分自身の「経験値」を高めることができます。

といっても、「人の話を聞いたくらいでは、よくわからない。経験値とは言えない」と思われるかもしれません。

でも、実際の行動を具体的に聞くことができれば、自分自身の経験に近いものを得ることができるのです。



私たちが、アセスメント・インタビューを行うときの手法が、これにあたります。

取り組んだことを、時系列で細かに具体的に聞いていく方法です。
その人が、「いつ」「どこで」「誰と」「何を」「どのように」したかを、ビデオで観ているかのごとく、イメージできるまで聞いていきます。

その際に、「なぜ」そうしたかの根拠をあわせて聞くことを忘れてはいけません。

具体的に話を聞くことによって、その人の思考や行動がわかるだけでなく、そのような状況で、周囲の人や顧客がどのように反応するかのについての知識も得ることができます。

先輩に話を聞くときには、抽象的に「やり方」のハウツウを教えてもらうよりも、このように実際の仕事のプロセスについて、具体的に聞くことをお勧めします。


実際、私自身、いろいろな会社のハイパフォーマーのインタビューを数多くしてきたおかげで、たくさんの「疑似体験」を得ることができました。

自分自身では経験したことはありませんが、営業の仕事がどんなもので、顧客との間でどのような問題が発生したり、どのように対応して解決していくかについての、知識を得ることもできました。

大勢の経験を聞くことによって、現場で問題が発生した際の解決策についての知識も増えました。

これらが、クライアントへの提案を考える際の、判断根拠の一つになっています。




★疑似体験力(2)・・・シミュレーションを日常的に行う★


人の経験を聞くことによって、疑似体験を増やすといっても、これもまた限界があります。

話を聞くことができるのは、たまたまその上司や先輩、友人が実際に経験したことの範囲に留まります。

そこで、それを補う、もう一つの有効な手段がシミュレーションです。



実際に他の人が直面している問題について、自分だったらどうすべきかを考え、その経過を観察するという方法があります。

また、まだ起きていない問題や状況を自分で想定して、その際にどのように行動すべきかのシナリオを描くことも有効です。

特に、瞬時に判断を要するような場面については、このシナリオを持っているかいないかによって、判断の速度も、打ち手の妥当性も、大きく違ってきます。



例えば・・・

 ・多くの投資案件を抱えているファンドマネジャーは、毎日、このシナリオを
  描いていて、常に数百の打ち手をアタマのポケットの中にしまっているそうです。

  その人は、
  「どの地域で戦争が起きたら、それが世界の政治や経済に影響するかの
  シミュレーションを自分なりに行い、どのような投資判断をすべきかを考えている」
  ということでした。

 ・また、ワンマンバスの運転士の方は、「車内におけるお客様同士のトラブルや
  クレイムの可能性をいろいろ想定して、それぞれにおいて、どのように対応すべきかを、
  自分なりにいつも考えている」ということでした。



自分自身を顧客の立場において、起こりえることを想定するという方法でシミュレーションを行う人もいます。

 ・例えば、あるホテルマンの方は、実際にホテルに宿泊しなくても、
  仮に自分が泊まるとしたら、どんなサービスを求めるかという視点で、
  自分の勤めるホテル内や、競合のホテルを散策することを習慣にしているそうです。

   
 
              *    *    *    *


このように、実際の経験値をあげるだけでなく、「疑似体験」を増やすことによって、判断のスピードも妥当性も高くなることが期待できます。


また、マニュアルで決められたことに単にしたがうだけでなく、相手の状況を理解して、どうすべきか判断できるようになるのではないでしょうか。

現場の社員やアルバイトの人たちが、正しく判断できるようになれば、会社側も「マニュアルは原則」として位置づけ、ある程度、担当者の判断に任せられるようになると思います。

そうすれば、顧客がいやな思いをしたり、結果として自社のブランドを傷つけてしまうようなリスクも軽減されます。
 

 

     
今週のささやき


本部や本社で、ロジックの上では正しい施策を作ったとしても、現場では思わぬ問題を生じてしまうことがあります。

たとえば、アメリカのノードストロムでは、戦略に連動した評価制度を運用したところ、従業員から訴訟を起こされたことがありました。

訴訟までいかなくても、仕組みとしては完璧で、きちんと説明したにもかかわらず、現場ではまったく違う運用がなされていることなどは、よくあることです。

  

実際に仕組みを運用したり、施策を実施するのは、「人」です。

「人」は、生き物です。
ロジックだけでは割り切れない、想定外の反応をします。

そのため、仕組みや施策をデザインするときは、「人」がどのように反応するかを想定して、細かに準備や補助策を講じる必要があります。

その際に生きてくるのが「経験」です。
 
どのような施策を講じるときも、実際の経験や「疑似体験」をもとにアナロジーを駆使して、そもそもの目的や意図にあった運用を考えていく必要がありますね。


ちなみに、この「疑似体験」が増えると、「ああ、世の中はこんな風にうごいているんだな」ということが見えてきて、実に面白いものです。

                              (今週の文責: 曽根岡)

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【2009/03/03 09:10】 | ■個人の進化・成長に向けて | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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