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「世間データ」の使い方
人事制度構築などのコンサルティングを行っていると、
クライアントの方々から、よく、

 「一般的にはどうなんですか?」
 「他社がどうしているのか知りたいのですが?」

といった、他社事例や一般的な市場データ(世間データ)に関する
ご質問、ご相談を受けることがあります。


人事制度でいくと、評価のトレンド(MBOや360度評価など)に関する
ものと、給与の構造や水準に関するもの、の大きく2種類に関する
お問い合わせが多いと思います。


目的としては、

 「他社と同じようにしておけば安心」とか、
 「これで実際にどんな効果が出ているのかを知りたい」など、

いくつかあります。


最近は、だいたいどのようなタイミングでどのようなデータを必要と
されるかが見えてきたので、予め準備をしていくことが多いのですが、

提示する際には、「あくまで『参考』程度に留めてください」という
ことを念を押しています。

「世間一般がこうだから、うちの会社もこうしよう」という判断は、
安易には下さないでください、ということです。


その理由の一つは、世間データ、特に給与水準の統計データに関しては、
集計の基準が調査や個々の会社によって異なっており、
自社と全く同条件での比較が難しい、という、データそのものの問題
もあります。

でもそれよりも大きいのは、そこに会社の思想や意志が見えない場合は、
制度や仕組みとしてのメッセージ性が弱まるからです。



★他社事例を見るときの注意点★

たとえば、給与制度を設計する際に、給与水準の世間データを参照
しながら、全体的に業界平均と同等か、あるいはそれ以上の水準に
設定するとします。

そこに、

 「業界で一番の給与を支給することで、自分たちは一番質の高い
  サービスを提供しているのだ、というプライドを醸成したい。
  (それによって、個々人のパフォーマンスを高めたい)」

という明確な思想があり、それをメッセージとして強く発信していく
のであれば、その制度はとても納得感のあるものとなり、効果も
出やすいと思います。


でも、

 「他社がこれくらい払っているのなら、ウチもこのくらい出さないと
  いけないのかなぁ・・・」

という感覚で給与水準を決定してしまっては、その水準の本当の
意味が社員には伝わらず、給与を引き上げた分の費用対効果は得られ
ないかもしれません。


大事なのは、そこ(給与水準や制度、仕組み)にどのような意味が
あって、どういうときには上手く機能し、どういうときには導入に
慎重になるべきなのか、をしっかり理解しておくこと。

その上で、「自社はどうすべきか。そこに、会社としてどのような
意味をこめるのか」を明確にして仕組みを作っていくことだと思います。



MBOや360度評価も同じです。

 「多くの会社が『導入して失敗した』と言っているから、ウチも
  やめておこう」

 「この制度が今のトレンドみたいだから、とりあえずウチもそれを
  導入しよう。そうすれば安心だ」

という感覚ではなく、

 「今、ウチの社員には、○○という考え方や行動パターンを身につけて
  もらいたいから、△△の仕組みを導入しよう」

という考えで仕組みを考えていただきたい、といつも思っています。


もっと言えば、

 「他社は失敗したと言っているけれど、その原因を分析して手を打って、
  ウチでは必ず成功させよう」

という意気込みで導入できると、とても頼もしいですね。



★データを正しく使うための3つのポイント★

では、上記のように、必要以上に世間データに引きずられることなく、
明確な思想を持った意思決定ができるようになるためにはどうすれば
良いのでしょうか。

そのために押さえるべきポイントを、以下にご紹介したいと思います。


1)そもそもの意味合いを突き詰める

 MBOや360度評価をはじめ、様々な制度や仕組みの一つひとつに
 ついて、「どういうもの」という内容はもちろんのこと、
 「そもそも何のためのもの」という狙いや意味合いに着目してください。

 他社の事例で、複数の会社で同じ仕組みが導入されていても、
 その狙いや意味合いは大きく異なることがあります。

 たとえばMBOひとつにしても、役割遂行を促進する目的のものも
 あれば、数字を挙げることを第一目的にしているものもあります。
 目的によって、仕組みの細部も異なれば、運用の方法も異なります。
 それらの違いによって、成功要因も当然異なってくるのです。


2)適用ケースを考えるクセをつける

 上記のように、一つの仕組みでも、目的や使い方は様々に存在する
 ので、大事なのは、

 「どういうときに、どういう仕組みを適用するべきか」

 という適用ケースをパターン分けして考えるクセをつけておく
 ということです。

 こういう思考ができていると、

 「世間データでは○○という傾向が出ているが、ウチの会社の場合
  は△△という事情が特殊なので、別の手法の方が良さそうだ」

 というように、世間データに引っ張られすぎず、適切な判断が
 できるようになると思います。


3)カスタマイズ発想を持つ

 最後に、どのような仕組みも、唯一絶対の型があるわけではなく、
 状況に応じていかようにもカスタマイズが可能です。

 なので、どんな書籍に出ている他者事例も、あくまで「一例」で
 しかあり得ません。

 「○○という仕組みは他社で上手く機能していないらしい」
 「△△という仕組みは他社でとても効果が出ているようだ」

 という表面的な情報だけで判断することなく、どんな場合も、
 自社のケースによりフィットするようにカスタマイズすることが
 可能なのだ、という意識を持ってデータを読むことが重要だと
 思います。

 (その際に大事なのが、上記1)、2)の考え方だと言えます)



以上のポイントは、個々の評価の仕組みや給与水準といった個別の
データに限らず、人材マネジメントシステム全般に関する世の中の
情報に関しても、同様のことが言えると思います。

たとえば少し前に広まった「成果主義の失敗」の議論も、同じ話では
ないでしょうか。

 「多くの会社が『成果主義は失敗だ』と言っているので、ウチでも
  成果主義は失敗するはずだ」

という判断をする方を、近年非常に多く見てきました。


そのような議論になるといつも、上記3つのポイントをしっかりと
押さえて欲しいなぁ・・・と思ったものです。

研修や採用に関しても、同じような状況が発生しうると思います。



世間データをどう読むか。

あくまで「参考」程度として見られるだけの、「データを見る目」を
持っておきたいものです。



今週のささやき

今回お話しした内容は、決して人事関連の制度や仕組みに限った
話ではなく、どんな情報にも当てはまるものだと思います。

最近はどんな商品やサービスを購入するにも、まずはネットで
クチコミを参照する私ですが、これも、「みんながどう言っているか」
を鵜呑みにするのではなく、

「自分はどう解釈するか」「自分はどこにこだわりを持つか」という
意志を持って見ることが大事だな、と感じています。


特に自分の詳しくない分野に関しては、他人の意見を頼りにしがち
ですが、考えることをストップしてはいけませんね。


                               (今週の文責:藤島)




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