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不況時における人材確保
★金融危機と日本経済への影響と、安易な雇用調整★
 
先日、ある勉強会で、みずほ証券の金融市場調査部長・チーフストラテジストの高田創さんのお話を伺う機会を得ました。

テーマは、「グローバル金融危機と日本からの教訓」

 ・欧米の金融危機発生のメカニズム と、
 ・バブル崩壊時の日本の状況
という二つの側面から、今後の大不況についての見通しを、素人の私にもわかりやすく説明してくださいました。



私たちは、アメリカをはじめとする金融危機について、まだ対岸の火のような感覚を抱いています。
 
また、この先どうなるのか、一部では「大恐慌以来の不況」といわれ、アタマでは何となくそのように理解しても、まだまだ実感をもってとらえるには至っていません。

でも、世界経済を俯瞰して、そのメカニズムを解析した上での専門家の話を聞くにあたり、かなり厳しい状況が訪れることは間違いないと危機感を抱きました。



高田さんのお話によると、日本企業や消費者が、この経済状況を身をもって実感し、意識や行動が変わってくるような、実態経済の変化は、来年以降に訪れるといいます。

今の時点では、まだ、様子見の会社が多く、消費者の購買状況もさほど変化が無いかもしれませんが、来年になると、いよいよ不況期の意思決定や対応策をすべてのプレイヤーがとるようになるというのです。



 
一方、この数年、労働人口の減少や景気回復を背景に多くの企業が採用拡大を続けてきました。
昨年・一昨年の新卒採用は、「売り手市場」と言われたくらいです。

それが、景気の見通しが悪くなったとたんに、来春卒業予定学生の採用内定を取り消す企業が続出し、大問題となっています。

 
実は、この極端な採用動向の変化については、私個人としては以前から疑問を感じていました。


そもそも、人に関する問題は中長期の視点で考えるべきものです。

人に関する施策の効果が現れるまでには、ある程度時間がかかるものであり、また採用や育成といった問題は、先々を見据えてある程度の時間軸の中で考えていかなくてはなりません。

中長期の事業構想と、それを実行する組織や人材のあり方を同時に描いて、どのような人材をどの程度必要とするのか、どのように調達するのか「人材戦略」を描く必要があります。




このメルマガでも、「環境変化」が激しくなってきたこと、それに伴う人材マネジメントのあり方・考え方については何度も述べてきました。

そして、やや落ち着いたかのように見えた景気も、さらに激変の時期を迎えることが予測される今、不況に対応しつつ、将来の成長に備えるための「人材戦略」を描くことは、実に難しいものとなりました。

実態経済が変化し、ますます厳しい状況になる前に、この「人材戦略」を賢く描いて、安易な対応や迷走を避けることができるかは、今後の企業にとってとても重要な課題なのではないでしょうか。



そこで、人材確保という視点から、この問題にどのように対応していくべきかについて、考えてみたいと思います。







★短視眼的に採用を変動させるべからず★

正社員として採用は、期限のない雇用契約になるため、一度採用すればある程度の期間はその雇用は継続するものです。

先にも述べたように、短期的な環境の変化や、その予測によって、安易に採用枠を拡大したり、採用を見合わせたりするものではありません。

それが、実際には、労働人口が減ると言っては、採用枠を増やし、景気が後退するといっては急激に採用を見合わせる・・といった企業が多いことには、正直なところ、驚かされます。



過去においても、バブル期においては採用を競い合って人員確保に努め、バブルが崩壊したとたんに何年にもわたって採用を見合わせた企業が実にたくさんありました。

その結果、社員のいびつな年齢構成を招き、今になっていろいろな人材マネジメント上の問題が発生しています。

特に、本社や本部機能には優先的に人員を配置しているものの、工場やオペレーションの現場では30代半ばの人員が非常に少ない会社が多くなっています。
 
その結果、技能伝承や育成が進まなかったり、マネジメントを担う人材が不足するなどの、問題が生じているようです。

 

このような過去における失敗に学ぶことなく、今また、短期的な視点で安易に雇用調整をすることは、厳に避けなくてはなりません。

「中長期の成長」と「短期の収益」の双方を実現しなくてはならないのは、経営者の大きな悩みと言われます。

今後、厳しい不況を迎えたとしても、短期の収益確保だけに安易に走ることなく、企業の体力の許す限り、将来の成長に向けての人材確保・育成を意図してデザインしてきたいものです。

その際、単に正社員の人数、新卒採用数として考えるのではなく、次の各視点から、多角的に人材ポートフォリオをデザインすることが重要です。
 
  ・価値の生み出し方
     価値創出型人材/専門家/オペレーションの担い手
     マネジメント型人材/プレイヤー型人材
  ・専門性 
     上記の中で、専門家の場合は、どのような専門性が必要が
  ・雇用形態、契約形態
     正社員/契約社員/アウトソーシング/外部専門家の活用
  ・新卒/中途採用
 



★質による「人材確保」★
 
中長期で人材確保は考えるべきだとは言っても、実際に業績が悪化すれば安易に人件費を増やし続けるわけにはいかないのも理解できます。

「人材確保」というと、量(人数)の問題としてとらえがちですが、質と量の両面から考える必要があります。

不況期において、いたずらに多くの人員を抱えることはできませんが、逆に「人材の質」は今まで以上に重要になります。



ところが、不況期になると、短期の収益の確保が優先されてしまい、人材の育成は二の次になってしまうことが多々あります。

たとえば、経費削減を目的として、研修費用が削られたり、留学制度が見直されたりすることがあります。

あるいは、、経験の浅い社員により大きな課題にチャレンジさせるだけの余裕がなくなり、すぐに結果を生める体制で対応することが多くなります。

その結果、若手の社員は定型業務に終始してしまい、なかなか成長する機会が得られなくなります。


不況期においては、よほど意識しない限り、「育成」が手薄になってしまい、「質」の面からも後々の「人材不足」の原因となりかねません。


 
また、「質」の面で「人材を確保」するといっても、どのような人材が必要なのでしょうか?

会社に必要な専門性を備えた人材や、マネジメントの役割を既に高いレベルで担っている人材が重要なのは言うまでもありません。

しかし、即戦力となるこれらの人たちだけでなく、全社的に人の「質」を上げていく必要はあります。

不況時や環境変化の激しい時代に求められるのは、これまでのあり方を忠実に守る人材ではなくて、状況を判断して解決していけるような人材です。

環境変化に対応して、新たな方法やサービスを考え、実行していける人材です。


このメルマガでも何度か触れてきましたが、次のような言葉で表現される人たちです。

 ・問題解決力のある人材
 ・変化対応力のある人材
 ・自家発電型人材 
 ・自律型人材
    
 ・(ビジネス上の)創造力のある人材
    


すでにこのような人材となるべく、社員の意識や行動を変えるべく、取り組んでいる会社も多くあります。

経験の浅い人材も含めて、今後はこのような意識・行動を強く求め、評価していくことが、ますます必要になるように思います。

また、育成だけでなく、採用時においても、このような人材となるポテンシャルを見極めていく、そのような「人を見る目」を会社として備えることも、ますます重要になるのではないでしょうか。




★人材輩出企業にならないために★

終身雇用が当たり前の時代には、人の育成に投資しても、必ず自社で回収できました。

しかし、転職が当たり前になりつつある今は、苦しい不況時に人を育成しても、景気が好転して環境が変われば、育てた人材が出て行ってしまうリスクもあります。



そこで、大事に育てた人材と長く良い関係を維持し、「人材輩出企業」にならずにいられるかは、社員をどれだけ魅了できるか次第です。

今まで以上に、その企業の「本質」「価値観」が問われます。
 
不況期のように、苦しいときほど、その企業の本質や思想が明らかになります。

会社の生み出す価値に対する考え方、顧客に対する姿勢、社外のビジネス・パートナーとの協働のあり方、社内マネジメントのあり方など、すべてに会社の「本質」や「思想」が現れます。



社員がこの「本質」や「思想」に共感し、この会社の一員であることを誇りに思うようであれば、環境が変化しても人材が流出することはありません。

また、この会社に長く関わることによって、その先に目指すべきキャリアや、わくわくするような発展の可能性が見えれば、ことさら外に出て行く必要はないはずです。


逆に、過度に短期収益を追求して、顧客の信頼や満足を損なうようであったり、理不尽なマネジメントが行われたりすると、優秀な社員ほど流出してしまいます。
 (偽装など、論外ですね。)

また、社内のキャリアに頭打ち感があったり、先に閉塞感かあったりすると、自ずから外に目が向いてしまいます。


 
                *     *     *     *


不況期には、とにかく収益の確保が優先され、乗り切ることが最重要課題となりがちです。

ここで、どこまで踏ん張って、大きなブレのない人材マネジメントを行えるかが、環境変化に翻弄されることない強い組織となるかにつながるものと思われます。

今一度、来るべき厳しい時代に、どのようなスタンスをとるべきかを、社内でとことん議論しておくと良いのではないでしょうか。 

 
   

     
今週のささやき
 
今回、お話を伺った高田さんは、たまたま大学時代にお世話になった先輩でした。

大学卒業以来、実に久しぶりにお目にかかりましたが、口調やしぐさは当時のままで、とても懐かしかったです。



金融の専門家のお話なので、「私にわかるだろうか」と思いましたが、私なりに、危機感を持つ程度には理解することができました。

クライアントでインタビューをする時にも、よく思うことなのですが、専門性の高い領域の人でも、素人にもわかるように話ができる人ほど優秀なような気がします。

今回も、新聞やニュースだけでは、先をどのように予測したらよいのか、現状をどのように解釈したらよいのかわかりませんでしたが、問題の構造、メカニズムを多角的にとらえて、わかりやすく説明してくださったので、とても納得感がありました。

「なるほど」と合点がいって、まさにお腹に落ちたという感じでした。

 
 
多少なりとも理解できたのは良かったのですが、いよいよ厳しい状況になりそうですね。

私自身も、それに備えなくては・・と、思いを新たにさせられました。
 

                                (今週の文責:曽根岡)
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【2008/12/01 07:30】 | ■魅力ある会社を目指して | トラックバック(1) | コメント(0) | page top↑
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景気の波と人材獲得
女性コンサルタントの二人言さんが、不況期における人材確保について いいことをおっしゃってます。以下では、その核を紹介しつつ、自分がどう思うかについて 簡単に綴っていきたいと思います。 ?短視眼的に採用を変動させるべからず これは、人材は中長期的に… さいたま市の永遠の25歳社長日記【2008/12/04 08:16】
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