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目標の開示・共有化
近年、「目標管理制度」の仕組みを採用している日本企業が実に増えてきました。
 
どの会社も、この運用にはさまざまな工夫をこらし、真剣にあたっていますが、それでもいろいろな問題は発生して悩んでいるのことが多いようです。

特に、運用上の問題点を解消したり、より効果的な運用とするためのいろいろな工夫がなされていますが、その一例として、「目標の開示・共有化」について考えてみたいと思います。


★日経新聞記事より★

先週、8月27日付け日経新聞朝刊の1面、「働くニホン」のコラムに、計測器大手、堀場製作所の「全社員の目標閲覧」の記事が載っていました。
お気づきの方も多いと思います。

記事の主旨は、「経営の方向性と社員の活動につながりを持たせることによって、一体感を助成し、組織の活力を高める」といった各社の取り組みを取り上げたものでした。

その一つの実例として、堀場製作所では「全社員の業務目標や四半期ごとの達成度、五段階評価の自己評価を見ることができ」るということが紹介されていました。

 ・ この目的は、「一人ひとりの仕事がつながって会社を動かしていることを
   理解してほしい」ということにあるそうです。
   
 ・ その背景には、「誰もが目標を立て、達成に努力しているはずなのに
   隣の同僚はそれを知らない。」という状況があったようです。

 ・ 目標や自己評価の開示を行った結果、「同僚が何に重きを置いて仕事を
   しているかがわかり、『自分の目標が見えてきた』」と感じている社員もいるようです。


     *    *    *    *    *
  
     

あなたは、この記事を読んでどう思いましたか?
「自分の会社でも、開示したら良いのに」と思ったでしょうか?
「これはやりすぎ。個人の目標の開示は避けたい」と思ったでしょうか?
それはどうしてですか?


  
堀場製作所のように、個人の目標を開示している会社はまだまだ少数派です。

中には、同社のようにうまくいっているケースもありますが、個人の評価に直結する「個人目標」や(自己)評価を開示するのには、かなりの難しさが伴います。

「なるほど」と思って、明日から自分の会社に適用しようと思っても、なかなかうまくいくものではありません。

 
そこで、今回は、

 ◆「個人の目標」やその評価結果を開示する際のリスク
 ◆「個人の目標」を開示・共有化するために求められる条件
 ◆では、組織と個人の活動のつながり・一体感を見えるようにするためには
   どうしたら良いのか

について考えてみたいと思います。

その上で、あなたの会社でも導入すべき施策なのか、それとも違う方法をとった方が良いのか、再度考えてみましょう。




★「個人目標」を開示する際のリスク★

目標管理制度で立てた目標を開示し、共有化するのが難しいのは、何故でしょうか?

一言で言ってしまえば、
「組織全体として評価スキル、マネジメントスキルが十分でない場合、不要な不満、コンフリクトの原因となる」
ことが極めて多いからです。

特に、「評価」という非常にデリケートな問題に直結する「個人の目標」を開示するには、かなり高いレベルの組織運営・マネジメントがなされていることが必須です。



具体的には、次のような問題が発生する恐れがあります。

 ・ 組織の活動と一人ひとりの目標に必ずしも一貫性があるわけではない
   (組織目標がきれいにブレイクダウンされるに至っておらず、バラバラな
    個人評価の設定になっていることが多い)
  
   ⇒目標を開示しても、組織の活動への一体感にはつながらない


 ・ 同じ等級や役割であっても、見た目の難度が違っていたり、
   マネジャーのスキルによっては、設定にバラツキがあることが極めて多い
  
   ⇒この場合は、組織の活動との連動性が見えないだけでなく、
     不公平感が蔓延して、不満を醸成することになる
 

 ・ 目標の設定には、個人に対する期待の違いなどが織り込まれている場合がある
   (特命事項が与えられたり、職位には求められないものの、昇格を視野に
    入れた一つ上の役割をもとに目標設定がなされている場合など)
  
   ⇒育成や開発といった目的をもって部下に目標を設定しようと思っても、
    その他のメンバーの目が気になって、柔軟な設定がしにくくなる

 


★「個人の目標」を開示・共有化するために求められる条件★


これらの難しさやリスクをはらんでいますが、中には、個人目標を開示・共有化して、うまくいっている会社もあります。

では、どのような条件がそろえば、個人目標を開示してもうまく行くのでしょうか?

 ・ 組織の役割が明確で、全社計画に連動した事業計画が明示されている

 ・ 組織内における各人の役割が明確で、実力にあったものとなっている。
   この役割に応じて、組織の事業計画から合理的に各人の目標が設定されている

 ・ 全社的に、組織目標や部下の目標設定を担うマネジャーのマネジメント力が高く、
   安定している (バラツキがない)

 ・ 目標設定時だけでなく、上司と部下の間で日常的に徹底したコミュニケーションが
   なされ、状況と目標に乖離がない状態が保たれている

 ・ 社員の成熟度が高く、意味のない公平感・悪平等を指摘するような
   幼稚な議論をする人がいない
   (本質と枝葉末節を見極めて、本質だけにこだわるような風土、価値観を持っている)

 ・ 取り組み結果の確認・検証は必要だが、それがどのような評価につながったかは、必
   ずしも開示する必要はない


このような条件をすべてそろえるのことは、とても困難です。

そのため、「個人の目標」をそのまま共有している会社は極めて少なく、今回の堀場製作所のケースなどは、新聞に紹介されるくらい珍しいのだと思いました。




★二つの「目標プレゼン」★

では、組織と個人の活動のつながり・一体感を見えるようにするためにはどうしたら良いのでしょうか?

本来、評価制度としての目標管理制度は、上司と部下の間で組織の活動と個人の活動の一貫性を確認するためのものであって、そのまま、他の社員に開示するためのものではありません。

むしろ、育成や開発という視点をもって、個々人への期待や改善策を織り込んで設定するものです。

そのため、組織の活動の全体観を共有するためには、別の仕組みや方法をとったほうが良いのではないかと、私は思います。


 ●「事業計画プレゼン」について
  
  まず、原理原則として「事業計画」(組織の目標とその実施計画)を全社・組織内に
  開示して、とことん議論することが原理原則です。

  一人ひとりの目標を開示することによって、集積として組織全体の取り組みを
  理解するのではなく、全社・組織の目標・計画そのものを、
  相互に整合性の取れたものとして作り上げ、関係者にわかりやすく説明する
  ことによって、理解を醸成することが王道ではないでしょうか。


  その際、非常に有効なのが、「事業計画のプレゼン」です。
  近年は、導入している会社もかなり増えてきました。

  ・ 事業計画に関しては、他部門を含めた全社レベルでお互いの計画を知り、
    連携についての議論が重要です。
    「事業計画のプレゼン」の場を通して、徹底的に議論することによって、
    お互いの事業計画を磨き上げることができます。

  ・ また、このプレゼンや議論の場に参加することによって、関係者が計画の
    背景を含めて、全体像を深く理解することができます。
      
  ・ あわせて、1年間の事業活動の結果を検証し、組織のパフォーマンスを
    評価するとともに、次年度の計画を高度化するために、
    「成果プレゼン」を実施することも不可欠です。
    成果プレゼンがあることによって、各組織の本気で取り組むための
    緊張感を与えることもできます。

  ・ なお、「事業計画プレゼン」においては、実際の部門長だけでなく、
    「自分ならこうする」というプランも発表できる場(コンペ)とし、
    部門長の役割の交代も起こりえるという競争メカニズムを入れることもあります。
    これをすると、かなり部門長の意識や行動が引き締まってきます。



 ●役員層(経営役員、執行役員)の「個人目標宣言」

  個人の目標を開示することのリスクを述べてきましたが、そうはいっても
  この層は、経営責任、執行責任の長であるため、目標開示があってしかるべきです。

  ところが、日本企業ではどちらかというと経営層の評価はあいまいで、
  ブラックボックス化しているところが多く、実際には逆の状況にあるところが
  多くなっています。



  一方、進んでいる会社では、部門長やその下の管理職層まで、
  目標を開示しているところもあるそうです。
  個人目標を開示するのであれば、私も上位者のみに対象を絞り込んだ方が
  良いと思いました。

  上位者の個人目標が見えた方が、部下が全体像を把握しやすいし、
  本人にとっても開示したものは実行しなくてはならないというプレッシャーにもなります。
  
  また、一般に上位者ほどマネジメント力が高い・・のであれば、先に述べたような
  リスクも回避できることが期待されます。
  


  いずれにしても責任の大きい層については、自らの目標を宣言し、
  本気で取り組むことを社長や同僚、部下と約束することが求められます。

  少なくとも、経営役員、執行役員については、自らの目標を宣言する場、
  プレゼンの機会を設けるべきではないでしょうか。

  会社によっては、プレゼンではなくて、社長に対して約束する「握りの場」と
  なっているところも増えてきたようです。



  経営層・執行役員層の仕組みについては、社員からはなかなか働きかけ
  にくいかもしれませが、少なくとも、社員がそれくらいの厳しい目で
  この層の取り組みやコミュニケーションを受け止めることは有効です。

  また、将来ご自身がこの層に着任された際には、ぜひとも、
  自分の目標を開示するくらいの気概と覚悟を見せてください。



  なお、組織の計画(事業計画)と、リーダー層の個人の計画の違いについては、
  第92号に記載しましたので、参考にしてください。
  92号『部門長の目標設定』
  



   

     
今週のささやき
 
今回のテーマは、グロービスの生徒さんの間のメーリングリストでの指摘が元になっています。

私も、良いテーマをいただいたと思い、改めて考えてみました。
今回は、その結果をメルマガの題材にしました。



この内容は、私からのご提案ですが、最後に、あなたの会社の実際の問題として考えてみましょう。
 
 ・あなたの会社では、個人の目標は開示できそうですか?
  それは何故ですか?

 ・組織の活動と個人の活動の一貫性は見えますか?

 ・見えなければ、具体的にはどうすれば良いのでしょうか?


ほんの少しでも、皆さんの考える機会になるとうれしいです。
良いアイディアがあれば、ぜひ私たちにも教えてください。
今後の議論につなげていきましょう。

                                   (今週の文責:曽根岡)

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